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【弁護士の転職①】なぜ女性弁護士はみんなインハウスローヤーになるのか?

自己紹介

こんにちは、Lawyer’s INFOを運営している弁護士の岩崎です!

2013年12月:森・濱田松本法律事務所入所(66期)
2018年6月:かなめ総合法律事務所に移籍
2020年1月~2022年3月:UCLA留学
2022年5月:Lawyer’s INFO株式会社創業

というキャリアで、自分自身がキャリアについて沢山悩み、「この情報もっと早く知りたかった」という経験が多かったので、現在は弁護士向け転職エージェントとして、毎月数十名の弁護士からキャリア相談を受けています。

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本題:なぜ女性アソシエイトはみんなインハウスに転職してしまうのか?

最近、本当に多くの事務所で「女性アソシエイトがインハウスに転職してしまい困っている」という話を耳にするので、今回はその構造上の原因に関する私見を共有します!

✳︎なお、この話はライフイベントを大事にしたい人全般に当てはまる話なので、本当は性別に関わらない話です。

前提1:企業法務ローヤーは「稼働時間=バリュー」の世界の住人である

大前提として、企業法務ローヤー(特にアソシエイト)は、基本的に「稼働時間=バリュー」で評価されます。

タイムチャージ(1時間当たり●万円という形)でクライアントからお金をいただく以上、稼働時間はそのまま自分の売上に直結するうえ、稼働時間が増えると処理できる案件数も増えるので、これはある意味必然です。

前提2:ライフイベント=稼働時間に制約が出る

では、結婚、出産、育児、介護などのライフイベントがキャリアに与える影響はなんでしょうか?

細かく挙げればキリがないですが、本質的には

「稼働時間に制約が出る」というところに尽きます。

企業法務事務所のアソシエイトは基本「稼働時間」で評価されるのに、ライフイベントが発生すると稼働時間に制約が出てしまうので、そりゃあ相性悪いよねって話です。

稼働時間=バリューから抜け出す4つの方法

では、ライフイベントとキャリアを両立させるにはどうすれば良いのでしょうか。

まず、稼働時間=バリューの世界から抜け出さないといけません。

私の知る限り、ざっくり4つの方法があります。

①パートナーになって仕事を取る

かつての王道ルートです。

パートナーになって仕事をとってくる側になれば、自分の稼働時間だけでなくアソシエイトの稼働時間も合わせて請求できるので、(理論上は)「自分の稼働時間=バリュー」の世界から抜け出すことができます。

ただ、そもそもパートナーになるためには「稼働時間=バリュー」の世界で結果を出さなければならず、また、パートナーになってからも仕事を獲得するための営業活動などが発生するため、実際にはこの方法で「稼働時間=バリュー」から抜け出すことはかなり難しいです。

②稼働時間に左右されない専門性やキャラクターを確立する

「稼働時間短いけどあいつにしか分からないことがあるからいなくられると困る」

「あいつあんま働かないけどあいつがいると雰囲気がよくなるから(or現在の男女比的)にいなくなると困る」

みたいなやつです。

これは①よりは現実的な方法ですが、特に大手事務所だと同じ分野をやってるor同じ場所に出向に行ってる弁護士はたくさんおり、稼働時間を無視できるほどの専門性やキャラクターを確立するのは容易ではありません。

また、「そもそもそこまでして事務所に残りたいんだっけ?」みたいな話も出てきます。

なので、②の方法を選ぶ人も意外と多くはありません。

③単価を上げるor費用を下げる

厳密に言うと「稼働時間=バリュー」のままではありますが、単価を上げるか費用を下げることにより、稼働時間を増やすことに対するプレッシャーを減らすことができます。

外資系事務所の方が日系事務所よりもWLBが保たれていそうなのは、アワリーレイトが日系大手事務所よりもはるかに高くて単価が高いからですし、最近大手事務所からスピンアウトしている事務所はどちらかというと後者(=費用を下げる)を志向している事務所が多いと思います。

ただ、自分の単価や費用についてはアソシエイト弁護士がどうこうできる問題ではないため、アソシエイトである限り③の方法は採れません。

④稼働時間で評価されない環境に移る

そのため、多くの人が採用するのが④の「稼働時間で評価されない環境に移る」という方法です。

この最たる例が、「インハウスローヤーになる」です。

インハウスローヤーは、本人がどれだけ稼働しても直接会社の売上が増えることはないので、法律事務所のように「稼働時間=バリュー」になることは構造上ありません。その結果、必然的に「稼働時間=バリュー」の世界から抜け出すことができます。

✳︎厳密に言うと、「タイムチャージではなく成功報酬の仕事をする」とか、私のように「弁護士業以外の事業を作る」というのも④の一種にはなりますが、なかなかハードルが高く、(インハウス求人の条件の向上も踏まえると)多くの企業法務ローヤーにとってはインハウスローヤーになるのが一番現実的な方法になります。

これが、女性弁護士を中心に、ライフイベントとキャリアを両立したい人が続々インハウスローヤーになっていることの構造上の原因だと思っています。

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 この記事のまとめ

・企業法務ローヤーは「稼働時間=バリュー」の世界の住人
・ライフイベントの本質的な影響は「稼働時間に制約がでる」こと
・ライフイベントとキャリアを両立するためには「稼働時間=バリュー」から抜け出さないといけないが、その一番現実的な方法がインハウスローヤーになることなので、インハウスローヤーになる人が増えている

この記事の執筆者

Lawyer’s INFO株式会社 代表取締役・弁護士 岩崎祥大

2013年12月:森・濱田松本法律事務所入所(66期)
2018年6月:かなめ総合法律事務所に移籍
2020年1月~2022年3月:UCLA留学
2022年5月:Lawyer’s INFO株式会社創業

自身がキャリアに悩んだ経験を活かし、現在は弁護士向けエージェントとして活動。

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